RSS

世界の書店から

階級社会英国のホンネが見えるサイコスリラー

[第210回]園部哲 翻訳家

『The Dry』。オーストラリアの大干ばつの被害を被った町が舞台。20年前、主人公のアーロン・ファルクは父親と共に、故郷の町キエワラを立ち去った。エリー・ディーコンの自殺が、実はアーロンによる殺人だという噂がたったためである。少年時代の親友ルークの葬儀のために故郷へ戻るアーロン。彼は今ではメルボルンの警官だ。干ばつのために経済的に破綻したルークは、妻と息子を射殺して自分も命を絶った、というのが公式なストーリーだったが、ルークの両親はそれを信じておらず、アーロンに調査を依頼する。地元の警官と仕事を進めていくうちに、その公式説明が次第に疑わしく見えてくる。と同時に、20年前無実の罪を着せられそうになったエリーの事件の不可解さも浮上してきた。


著者の処女作にしてオーストラリアで大ヒットの本作、すでにヨーロッパでは英仏独でベストセラー。


Sonobe Satoshi

1956年生まれ。翻訳者。通算20年余のロンドン暮らし。訳書にパンカジ・ミシュラ『アジア再興』(白水社)、バーバラ・デミック『密閉国家に生きる』(中央公論新社)など。インスタグラム: satoshi_sonobe



(次ページへ続く)

この記事をすすめる 編集部へのご意見ご感想

  
ソーシャルブックマーク
このエントリーをはてなブックマークに追加

Back number | バックナンバー

[第209回]美濃口坦 翻訳家、ライター 保守派が論じる「メルケルとは何か」@ミュンヘン

[第209回]美濃口坦 翻訳家、ライター
保守派が論じる「メルケルとは何か」@ミュンヘン

[第208回]戸田郁子 作家、翻訳家 女に我慢強いる社会@ソウル

[第208回]戸田郁子 作家、翻訳家
女に我慢強いる社会@ソウル

[第207回]宮家あゆみ ライター、翻訳者 タレント議員のユーモア@ニューヨーク

[第207回]宮家あゆみ ライター、翻訳者
タレント議員のユーモア@ニューヨーク

[第206回] 泉京鹿 翻訳家 党政治の腐敗を暴く@北京

[第206回] 泉京鹿 翻訳家
党政治の腐敗を暴く@北京

[第205回]浅野素女 ライター 祖母の愛とマクロン@パリ

[第205回]浅野素女 ライター
祖母の愛とマクロン@パリ

Popular article | 人気記事

さらに記事を見る
Facabookでのコメント

朝日新聞ご購読のお申し込みはこちら

Information | 履歴・総合ガイド・購読のお申込み

Editor's Note | 編集長から

PC版表示 | スマホ版表示