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[第196回]行動経済学を生んだ友情@ニューヨーク

宮家あゆみ ライター、翻訳者



『Born to Run』は、アメリカを代表するロック・ミュージシャン、ブルース・スプリングスティーンの自叙伝。ニュージャージー州で過ごした子ども時代、祖父母や親戚、両親と妹のことなどの私生活はもとより、Eストリート・バンドの黎明期から「明日なき暴走(Born to Run)」の大ヒット以降、現在に至るまでのバンド活動について包み隠さず語られている。ボブ・ディランや11年に死去したバンドメンバーの主軸クラレンス・クレモンズへの思い、コンサートツアーの裏話、うつ病に悩まされていた日々のこと、さまざまの名曲が誕生した背景なども興味深い。敬虔なカトリック教徒であり、熱心な民主党支持者でもある。16年にはオバマ大統領から大統領自由勲章を授与された。彼の代表曲のひとつでベトナム帰還兵の苦悩について歌った「ボーン・イン・ザ・ U.S.A」に象徴されるように、ブルース・スプリングスティーンの人生からは、どこにでもあるブルーカラーの人々が住むアメリカの風景と50年代以降のアメリカが駆け抜けてきた時代が浮かび上がってくる。



Miyake Ayumi

ライター、翻訳者。出版社「ブックジャム・ブックス」代表。1996年からニューヨーク在住。訳書にティルマン『ブックストア』(晶文社)など。



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