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[第20回] ビバルディが生きたベネチア

佐藤康夫 Yasuo Sato ローマ在住ライター

ビバルディつながりで、圏外からもう一冊。『Vivaldi: notte e follia del Prete Rosso』(邦訳すると「ビバルディ:赤毛の司祭の闇と狂気」)。著者のティート・ジリベルトもベネチア生まれで、フルートを奏し、ミラノのスカラ座やカンヌ映画祭などの取材から戦争ルポや犯罪報道にも携わる多才な民放テレビ局報道番組の放送記者だ。ウィーンを舞台に、著名な作曲家の死にまつわる謎を作家の創出した医師アレッシオ・ロッサートが、推理小説仕立ての構成のなかで「解明」していく。
ベネチアで大成功を収め、作曲家、オペラ作家、バイオリン演奏家として欧州を巡り、音楽家として絶頂にあったビバルディがなぜ、オーストリアで1人貧しく客死することになるのか。その知られざる最晩年の歳月が語られ、だれも予想しなかった最期が露わになる。
19世紀に忘却されていたビバルディは、20世紀に入ってその生涯が明らかにされるようになってきた。本著の結末は歴史家やビバルディ・ファンには容認し難いかもしれないが、今後も新たな「仮説」が提起されていくことだろう。

イタリアのベストセラー

 

1.は「バチカン株式会社」の意。機密文書を託された週刊誌記者の著者が、信仰の番人たちの金融操作の実態を再構成する。

2.は「私たち」の意。前ローマ市長の書き下ろし小説。イタリア現代史の四つの決定的瞬間を生きた、世代の異なる4人の若者の話。著者はかつて中道左派政権で副首相や文化大臣を務めた。文化通で、映画やメディアに関する著書も。

3.は1984年の冬季オリンピックに沸く町から1992年、戦火に包囲される町へと変貌するサラエボを主要な舞台にして織りなすローマの女性ジェンマの「愛と苦悩」。

4.の題名は「カモメの舞踏」の意。国民的作家の刑事小説シリーズ15作目。

5.はローマ法王ベネディクト16世が7月7日に発表した回勅(『真理に根ざした愛』)。

6.はNYを舞台にしたベストセラー推理小説。8.はナポリの犯罪組織を告発したルポ小説『ゴモラ』で国際的に評判になった青年作家の手稿集。

9.は気鋭の3人の記者による「反ベルルスコーニ本」。女性絡みの醜聞が途切れない首相の私生活と、交際と引き換えに議席を約束する安直な政治家作りの実態を再構成。妻にも去られた倫理的荒廃が、政治指導層への国際的評価を低下させる政治スキャンダルであることを詳述。

10.は「幸運なんて存在しない」の意。大統領選挙期間中、未曽有の経済・社会的危機にある米国36州を巡るイタリア人記者が、市民の切実な話に耳を傾けながら探る果敢な米国流「七転び八起き」の真実。今はLa Stampa紙の編集長を務めている。

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