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いかに厳しく取り締まろうと、汚職・腐敗を根絶するのは不可能に近い。朱鎔基時代然(しか)り。『蒼黄』は「官界小説」の第一人者といわれる王躍文の最新作。外国人には把握しにくい中国の地方政府の役人の肩書や地位、微妙な上下関係、権力範囲がわかる小説だ。タイトルは、エピグラフに引かれている「蒼に染むれば則(すなわ)ち蒼となり、黄に染むれば則ち黄となる。ゆえに入る者変ずれば、其(そ)の色も亦(ま)た変ず」(『墨子・所染』)に由来する。
県(省の下に属する行政区)の選挙をきっかけに、県委員会弁公室主任である主人公・李済運の同級生・劉星明が精神異常をきたし、県のトップである県委員会書記の汚職に絡んで陳情騒ぎを起こした2人の幹部も精神科病院送りになる。スキャンダルを食い物に県政府にたかる記者を、李と県宣伝部長の朱芝はインターネットを使ってこらしめるが、記者には副省長という強力な後ろ盾があった。炭鉱事故を端に書記の汚職を告発しようとした李の従兄(いとこ)は、生死も知れず。やがて書記が処分され、李の同級生・熊雄が後任となったが、李自身は省に出向となり、朱も左遷されてしまう。地方政府の複雑な権力の渦の中で、憂い苦しむ李済運。政治の世界で清廉潔白であることは、かくも生きにくいものなのか。
著者の身辺も穏やかではない。湖南省政府、懐化市政府の職員だった過去の経歴から、登場人物のモデルや実際の事件との関連があれこれと取りざたされる。版権契約でもめた別の出版社が、修正前のゲラ段階の本作品を『落木無辺』(上下)としてすでに上巻を刊行。著者は下巻の発売停止と100万元(約1300万円)の損害賠償を求めて訴えを起こした。海賊版も後を絶たない。官界のみならず、出版界の闇もまだまだ深い。

2.は手、足、耳などの反射区を刺激することで病気はすぐに治り、予防もできるとして、自分でできる簡単なノウハウを説く。近年、この手の養生本が恒常的に売れ続けている。
3.はCCTVの教育チャンネルの大人気テレビ番組『百家講壇』を書籍化したもの。同番組で講師を務めた高校教師が語る中国の歴史をまとめた。
4.は07年に刊行され、200万部を超えるベストセラーとなった『貨幣戦争』(邦題『ロスチャイルド、通貨強奪の歴史とそのシナリオ』)の第2弾。著者は、米国のファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディーマック(連邦住宅貸付抵当公社)でコンサルタントを務め、帰国後は証券会社勤務を経て環境財経研究院院長に就任した。
5.(前ページの写真のウサギの本) タイトルにある「兎斯基」は「TUZKI」というウサギの名前。米国の作家・生化学者アイザック・アシモフの短編『Spell My Name with an
S』に刺激を受けて名付けたという。中国伝媒大学のアニメ学部の女子学生が作ったウサギがネットで人気となり、大手通信会社のイメージキャラクターにも採用された。イラストと人生哲学をまとめた一冊。
6.の題名は「メガトレンド・チャイナ」の意。80~90年代にかけて、『メガトレンド』など多数の邦訳が日本でも刊行されたジョン・ネイスビッツの最新作。13年前、当時の江沢民主席と交わした会話がきっかけで本書を執筆したというウィーン在住の著者が、06年から1年の半分を天津で過ごし、3年がかりで完成させた。
7.は日本でも邦訳、映画化された米国の大ヒット小説『トワイライト』の著者による、SF仕立てのラブストーリーの中国語訳。
9.は累計500万部を超えるベストセラー全7巻の完結編。明の太祖朱元璋の出生から明朝滅亡までの300年を生き生きと描いた新しいスタイルの歴史文学。本業は税関の密輸取締官という著者がブログで書き始めたものが評判になり、書籍化された。
10.の題名は『志を立てるのは早いうちに』という意味。編者の中心となった兪敏洪が93年に設立した留学予備校・語学学校は、民間専門学校国内最大手の新東方教育科技集団に発展し、ナスダック上場も果たした。本書は中国全土でトップクラスの成績の10人の学生たちが、中学、高校生のうちに、いかにして志を立て、努力を続けてきたかを語った記録。教育専門家たちの解説付きで、保護者の参考にもなる教育指南書である。