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大リーグのニューヨーク・ヤンキース前監督で、現在ロサンゼルス・ドジャースの監督を務めるジョー・トーリの回想録『The Yankee Years』。共著したトム・ベルデュッチはスポーツイラストレーテッド誌の記者。96年から07年までの12年間にわたるヤンキースの軌跡と監督を務めたトーリの思いが、選手たちの言葉とともに記されている。試合の名場面が再現され、退任劇の真相も語られる。
98年から00年にかけてのワールドシリーズ3連覇は、各選手が無私の精神でチームの勝利に貢献したことが大きかった。その後、高額な契約金で集められたスター選手たちが増えていく。ワールドシリーズでの常勝を期待されるなか、以前とは大きく異なる考え方の選手たちをまとめていくのは、並大抵の苦労ではなかった。ステロイドなど薬物の問題もあった。ワンマンといわれるオーナー、ジョージ・スタインブレナーとの関係や、過熱する対ボストン・
レッドソックス戦の盛り上がりはトーリの神経をすり減らした。一方で、多くのスター選手たちが、ヤンキースの伝統やニューヨークのメディアの重圧によって実力を発揮できなかった。やがてスタインブレナーが体調不良で権力の座から遠ざかり、権限を持ち始めたゼネラル・マネジャー(GM)のブライアン・キャッシュマンは、トーリの意見より数字を重要視するようになっていく。
今年2月の発刊当時、三塁手アレックス・ロドリゲス選手やキャッシュマンを厳しく批判する暴露本としてメディアに騒がれた。でも実際に読んでみると、ベルデュッチによる説明には若干の棘が感じられるものの、トーリ自身の言葉に辛辣さはない。
トーリが12年間のヤンキース監督時代に常に大切にしてきたのは、信頼と嘘のない誠実さだった。チームを率いる彼の信念と懐の大きさは、リーダーシップをとる者の手本ともいえるだろう。レッドソックスをはじめ他チームについても多くのエピソードが記されている。大リーグに興味のある人なら、間違いなく楽しめるだろう。

1.の著者は、500万人のリスナーを持つと言われる米国で人気のラジオトークショーのホスト。レヴィンは弁護士でもあり、レーガン政権の複数の閣僚の行政官も務めた。いまこそ米国は、本来の知的で実践的な保守主義を再強化すべきだと提唱する。
3.は「成功は本人の能力よりも成長過程で与えられた環境や機会に支配される」という理論を、ビル・ゲイツやビートルズなどの著名人を実例にあげて説明。
4.はサブプライムローンの焦げ付きによる米大手投資銀行・証券会社ベアー・スターンズの経営破綻を、時系列を追って描いた。元ウォールストリートの投資銀行家の著者がインサイダー知識を駆使し、小説的な語りをもって金融業界の強欲さ、高慢さ、愚かさに警鐘を鳴らす。
6.はライオンと人間の交流物語。69年、オーストラリア人の若者2人がロンドンでライオンの子を買い、クリスチャンと名付けて育てる。成長し、ケニアで野生に戻されたクリスチャンに1年後、2人は再会。初版は71年(邦題は”ライオン街を行く”)だが08年に動画サイトで当時の映像が公開され、国際的人気が出たことで50枚以上の写真を追加し、加筆。
7.は80年以上も前に伝説の都市Zを探し、南米アマゾン川流域で行方不明になった英国人探検家の軌跡を追う。著者はニューヨーカー誌に寄稿するライター。ミステリーや旅行記を思わせる語りで、映画的な興奮を味わえるルポルタージュとして評価されている。
8.はFOXニュースのニュースキャスター、ビル・オライリーの自伝。生粋のニューヨーカーで共和党保守寄りといわれる彼の考え方が、どのように形成されたのかがわかる。
9.はエミー賞を7回受賞している女優による糖尿病の闘病記。33歳で若年性糖尿病と診断され、視力低下、体力の減退などの症状に悩まされた彼女が、健康を取り戻すためにしたすべてのことが語られている。
10.はアイオワ州の田舎町の公立図書館に捨てられていた子猫が町を救い、全米に知られるようになるまでをつづったエッセー。