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著者の窓辺

[第7回]「有意義な仕事」が成功の定義だ。
複雑だが夢中になり、努力すれば報われる

「天才! 成功する人々の法則」Outliers

マルコム・グラッドウェル Malcolm Gladwell 

ビートルズやビル・ゲイツ。「天才」と呼ばれ、常識では計り知れない「傑出した人々」(outliers)らの秘話を通して、「成功する法則」を紹介するのが本書だ。著者の綿密な取材と自らの経験から、その「法則」は見いだされた。ベストセラーを生み出し続けるニューヨークの売れっ子作家に「成功の秘訣」を聞いた。

私も「1万時間」で必要な基礎を得た

――天才も長い下積みがあってこそという「1万時間の法則」が印象的です。
グラッドウェル 心理学者の研究がもとになっています。それによると、作曲家やチェスのプレーヤーら様々な分野の成功者たちの多くは、その分野に精通するまでに1万時間、同じことを繰り返していた。1万時間といえば、だいたい10年間です(1日3時間として。4時間なら約7年間)。これは、成功のための一つの法則にすぎないのですが、ハードワークや経験が成功に結びつくことを示しています。

マルコム・グラッドウェル氏

――1万時間を費やした天才たちのエピソードなど興味深い話が豊富ですが、どうやって集めるのですか。
グラッドウェル アカデミックな調査から始めることが多いです。学者たちが何と言っているのかを調べ、それぞれの主張に合う実例を探します。

 

――今回が3作目。これまでの2冊も含め、いずれも「成功」を主題に選んでいます。なぜですか。
グラッドウェル 確かに3冊とも主題は「どうすればうまくいくのか」です。それは普遍的で、だれもが興味を持つことだと思います。そういう事柄を検証することが私は好きなのです。

 

――「成功」とは、具体的にはどういうことですか。
グラッドウェル
 本作で再三触れている「意義ある仕事」。それこそが私の成功の定義です。複雑だが自主的に働くことができ、夢中にさせられてしまう。そして、努力に見合った報酬があるということが何より重要です。報酬の総額がいくらになるかや、どれだけ権力を持てるか、どれだけ有名になれるかは重要ではない。大事なのは、仕事に夢中になれるか、朝起きた時に仕事をしたいと思えるか、夜帰宅した時に自分のやったことに満足できるか。それが、「成功」なのです。

(次ページへ続く)

マルコム・グラッドウェル氏の略歴

1963年、イギリス生まれ。カナダのトロント大卒業後、米紙ワシントン・ポストの記者に。
その後、雑誌「ニューヨーカー」の記者として活動するかたわら、著作活動を始めた。

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