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アート&ファッション

[アート特派員]カンテの巨匠を悼む

堀越千秋@マドリード






ジャズもロックも良い! しかし元々は核兵器を持つ強国アメリカのミュージックである。イチローの背番号と同じ51番目の州、日本なればこそ、僕らはこれを無意識に受け入れ、70年間聴いてきた。


しかしフラメンコは、核兵器もなく、徴兵制もやめたスペインの、主に流浪の民ヒターノの音楽である。世界戦略のない音楽である。だから皆さんは知らない。


ふつう音楽というのは、旋律の美しさとリズムの喜びとに支えられるが、フラメンコ(カンテ=唄)は一音ごとの垂直な唸りや叫びが自ずとリズムの喜びを得ている。


アンダルシアの渋好みのヒターノたちによれば、カンテは「音楽じゃない」。


とはいえ、欧米の核兵器保有強国の「グローバル」な力は刻々フラメンコにも押し寄せ、“音楽”化しつつある。


「何じゃい! こいつは?!」という、美醜を超えた怪物が、昔のフラメンコにはいた。今はいない。いや、いたのだが、昨年のクリスマスに死んでしまった。


マヌエル・アグヘタという、カンテの怪物だ。押しも押されもせぬ、カンテ・プーロ(純粋なカンテ)、カンテ・ヒターノ(ヒターノのカンテ)の大立者であった。デビッド・ボウイを悼んで、こちらを悼まないのは、文化人の恥だ。だから、アメリカの方ばかり向いている皆さんにあえて、これを記す。




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