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[ヴォーグジャパンより]よりよい世界への予感に満ちて。




古いものが今また新しく受け止められる」現象は、ファッションの世界ではいつの時代にも繰り返されてきた。今、その核になっているのは「世界を変えたい」という思い。そして、自分らしい生き方の追求の再解釈だ。そのスピリットに迫る。


「クラスティーズ」と呼ばれるグループがいる。パンク、グランジ、ラスタ、ヒッピーのハイブリッドで、今時の若者の世界観に多大な影響を与えている。ベースになっているのは、トレッキングで使われるバックパックや破れたジーンズ、タトゥーなど。私がこうした若者に惹かれるのは、彼らがかつてのジャック・ケルアックやカート・コバーンらのように人生や世界を変えたいという思いに真摯に向き合っているからだ。社会の不正を身をもって感じ、自分はそうしたものに加担したくないという強い気持ちを持っている。


ファッションは、カルチャー全般に起きている避けようのないターニングポイントに影響を受けている。消費者が求めているのは、単なるファッションデザインの域を超えたストーリーとアイデアだ。ここ数シーズン、ファッション界を揺るがす有名デザイナーの交代劇が相次いでいるが、ひょっとすると、各メゾンも新しいビジョンを探しているのかもしれない。


私から見て、変化を取り入れた素晴らしい実例がグッチだ。新たに迎え入れた若手デザイナーのアレッサンドロ・ミケーレは、強い生命力を感じさせるコレクションで、特に若者たちの自己イメージを明確に、活気あふれるスタイルで映し出していた。同じような動きは、J・W・アンダーソンやアイスバーグにも起きている。


さらに、モデルの発言力もこれまでにないほど高まっているようだ。彼女たちは人生を謳歌し、自分らしいライフスタイルを持っている。そのバイタリティーは、クロエやヴィトン、プラダといったブランドのランウェイで目の当たりにしている通りだ。


ファッションは世界が伝えるメッセージのスナップショット、今風に言えば「セルフィー」なのだ。今のファッションの自画像は、ずいぶん若く見えるかもしれないが、年齢を超えた知恵を持っている。


(全文はVOGUE JAPAN 2016年3月号に掲載)





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