RSS

アート&ファッション

[アート特派員]はばかりながら

塩谷陽子@ニューヨーク





METのトイレ。女性用トイレには毎度、長蛇の列ができる。
Photo: Shioya Yoko

劇場での幕前や休憩時間にトイレで長蛇の列を作るのは女性ばかり......という光景は、古今東西共通だ。ところが1年ほど前、ダウンタウンの実験劇場「ラ・ママ」でトイレに寄ったら、あれれ? トイレの前には、男女が一本の列に並んでいる。その光景を見た瞬間、何年も前の記憶がよみがえった。


ラ・ママは客席数が300。それに対し、トイレは個室が二つだけ。あの日も女子用には長い列だが、男子用には列もなくスイスイ回転していた。


ほんの数分、男子トイレの利用が途絶えた時があった。居並ぶ女性陣から「使っちゃいましょうよ、ねぇ」の声が上がるや、最前列の女性がそそくさと男子用の扉を開けて中に入っていった。米国の女性はスゴイなぁ、トイレ(はばかり)でも、はばからないんだなぁとヘンに感心した私。ほどなく用を足しにきた男性が、列に割り込むべきかどうかと逡巡している姿が、少し滑稽かつ不憫に思えたものだ。


そのラ・ママの二つの個室用トイレのドアには、今では性別の表示がない。二つとも「みんな」が入れるトイレになったのだ。日本で「みんなのトイレ」といえば車椅子対応の個室トイレを指すが、米国の「みんな」は、ジェンダーの包括を意味している。この5月に新装オープンしたホイットニー美術館のトイレのドアに「All Gender Restroom」とあり、「なんだこれ?」と思ったものだが、最近のニューヨーク・タイムズの報道によれば、米国の文化施設や大学のトイレには「みんな化」の波が訪れているという。9月にはフィラデルフィアで「公共のトイレには必ずAll Genderの個室を設置すること」という法令まで誕生している。



…続きを読む

この記事の続きをお読みいただくためには、購読手続きが必要です。
GLOBE総合ガイド
  • ログインする
  • ご購読申し込み

朝日新聞デジタル購読者(フルプラン)の方なら手続き不要

「朝日新聞デジタル(フルプラン)」を購読済みの方は、ご利用のログインID・パスワードでGLOBEデジタル版の全てのコンテンツをお楽しみいただけます。「ログイン」へお進みください。
朝日新聞デジタルのお申し込みはこちら

この記事をすすめる 編集部へのご意見ご感想

  
ソーシャルブックマーク
このエントリーをはてなブックマークに追加

Popular article | 人気記事

さらに記事を見る
Facabookでのコメント

朝日新聞ご購読のお申し込みはこちら

Information | 履歴・総合ガイド・購読のお申込み

Editor's Note | 編集長から

PC版表示 | スマホ版表示