RSS

NYT Magazineから

この記事をすすめる 編集部へのご意見ご感想

  
ソーシャルブックマーク
このエントリーをはてなブックマークに追加

[第11回]働くことの価値について 欧米が日本に学べること




数週間前、私は京都の天ぷらバーで1人の料理人を見ていた。11人の客、全15品のコース。つまりタイミングをわずかにずらしながら、常に165の品に神経を行きわたらせている。何も書き留めず、力んでもいない。仕事が、食いぶちを稼ぐという感じではなく、彼の存在そのものだった。


「職人」という日本語は直訳で表せない。この言葉がもつ「専門性の極み」といった意味合いが、日本人がいかに日々もっといい仕事をしようと励んでいるかを物語っている。日本以上に容赦ない資本主義世界で育った私たちには、この職人的文化が滑稽に映ることもある。京都では他にも、光る黄色い棒を手に歩行者を歩道へ誘導する男性を見た。車が来たときは、駐車場へ誘導していたのだろう。先進国ならとっくに機械化されるか、ないがしろにされるような仕事だ。


またあるとき、神戸で見かけたのは、ドリルで穴を掘る5人の男性。いや、掘っていたのはそのうち1人で、あとの4人は彼を見ていた。30分の間、彼らがやったのはそれだけ。スマホを見るわけでも無駄口をたたくわけでもなく。まるで「これこそが他でもない、穴を掘る男の見方である」という実演のようだった。

…続きを読む

この記事の続きをお読みいただくためには、購読手続きが必要です。
GLOBE総合ガイド
  • ログインする
  • ご購読申し込み

朝日新聞デジタル購読者(フルプラン)の方なら手続き不要

「朝日新聞デジタル(フルプラン)」を購読済みの方は、ご利用のログインID・パスワードでGLOBEデジタル版の全てのコンテンツをお楽しみいただけます。「ログイン」へお進みください。
朝日新聞デジタルのお申し込みはこちら

Facabookでのコメント

朝日新聞ご購読のお申し込みはこちら

世界のどこかで、日本の明日を考える 朝日新聞グローブとは?

Editor’s Note 編集長から